女性と偽っている小傍唯(女装)と専属男優四ノ宮那月(名前と顔がカメラアングルにより非公開)がAVで演じている話(?)2人はデキてて、売れないアイドルという設定です。売れないわけがないけどね!!!
※挿絵(ERO/ぬるい)を1枚入れてますのでご注意ください。
大丈夫な方のみ、ご覧ください。
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駅の改札口を通り抜け、腕時計にちらりと目をやってホームを目指す。朝早く、ちらほらいる人たちも皆が一様に急ぎ足だ。
ほんの僅かな階段を飛び降りて、傍近くの車両へと乗り込んだ。
「はぁ、はぁ…」
もう一度腕時計を確かめながら、何とか約束の電車には乗れたとほっと息をつく。漏れた息は車両の温かさで白くはならなかった。ストールを少し緩め、キッチリ留めたコートのボタンを外していく。
携帯電話を取り出して待ち合わせのメールを確認すると、この時間発の3号車と書かれてあった。何号車か確認しようと顔を上げると、車内のあちこちから突き刺さる視線にぱちぱちと目を瞬かせた。周囲を見回せば、目が合った人から順に視線を逸らされてしまう。
「……?」
首を傾げると、とんとんと肩を叩かれ振り返った。すると、そこには長い金の髪の少女が困った様子で僕を見上げていた。
遠慮がちに何かを言いかけるけれど、その子は目が合った瞬間、ふいとそっぽを向いてしまう。
一体何が言いたかったのだろう。
改めて少女に向き直ると、彼女はとても可愛らしい容姿をしていることに気づく。肩ぐらいの小さな身長で、星型のピアスが揺れる横顔には金の髪が掛かり、ウェーブがかった髪が大きく開いた胸元を彩っている。
言葉もなく向こう側を指差したその腕には指先まで隠れてしまいそうな袖が緩く捲くられている。短いスカートからすらりと覗くのは、白い肌を挟んだロングブーツ。そこまでをゆっくりと眺めてから小さく息を吐く。
「向こうがどうかしたんですか?」
「……ここ、女性専用車両。男はあっち。分かった?」
「え、あっ…!」
辺りを見回してみると彼女の言う通り、少ない乗客は皆女性だった。意識した途端、香水の甘い香りがつんと鼻に付く気がする。おまけに大きな文字で「女性専用車両」と書かれているのを見つける。
「す、すみません!」
慌てて電車から降りようとしたら、プシューと扉が閉まってしまった。
「わっ!……ええと」
動き出してしまった電車に、怒られるかもしれないとそーっと振り返ってみると、彼女がぷ、と笑い出してしまった。目を丸くしていると、いっそ清々しいほどに笑うものだから、僕までつられて笑ってしまう。
「あはは……外に出なくたって隣の車両に移ればいいだけなのに」
せめて和んでいるうちに車両を移った方がいいかもしれないと、貫通扉の右上を確認するとここが待ち合わせした3号車のようだった。
今日の待ち合わせ相手は、出会い系サイトで知り合った人。
周りの女性を見渡してみたところで僕は彼女の顔を知らない。そして、僕に話しかけてくる人もいなくて、からかわれたんだと思うと悲しかった。
「はい、カットー。休憩挟んで、次のシーン行くよ」
監督兼カメラマンの声で場の緊張が解け、エキストラの方が挨拶と共に退出していく。
テレビモニターの前に腰掛けて、シーンをチェックする。監督が先に僕視点で唯ちゃんを撮影した映像と並べるようにして、今撮影した僕の顔が上手く見切れている映像が流れた。カメラが寄ったときも僕の顔はほとんど映らないし、映っていたとしても編集で綺麗にカットされる。
そういう風にして引きの画が混じる場合は何度か同じシーンを別アングルで撮って、それを繋ぎ合わせて1本の作品にする。ドラマ撮影では普通でも、一般的に低予算で作られるアダルトビデオにしては手の込んだ手法だ。わざわざそうする理由は僕は表では四ノ宮那月として、また、目の前の女の子は本当は来栖翔という正真正銘の男の子で、2人とも男性アイドルだからだ。その僕たちがアダルトビデオに出るためには、多少の「役作り」や最低限のカメラワークは必要だった。
どうしてアダルトビデオに出ることになったかというと、売れないアイドルには裏のお仕事が必要なときもあるらしくて、同じ事務所の翔ちゃんが一緒にやろうって誘ってくれたんだ。
今日の予定は彼女に会うだけだったから家に帰っても良かったのに反対側の路線には戻らず、隣の4号車で携帯電話に映った彼女のプロフィールを眺めながら自宅の最寄り駅へと戻ってくるのを待った。
何かあったのかもしれないしメールをしてもよかったけれど、ああいうサイトを利用したのは初めてだったしショックで思うように文字が打てなかった。
遅刻しただけかもしれない。そう思って、隣の車両のガラス戸を覗き見るけれど、誰かを探している様子の女性はついぞ見当たらなかった。
長い時間を掛け自宅の最寄駅に降りると、冷たい風でストールとコートが舞い上がる。温かい場所から一転、寒い外気に体が縮こまる。両手を口元に当て、温まるようにはぁと息を吹きかけた。
ここから家まではまだ先だからと、階段を上がった先にあるトイレに入っていく。
軽く用を済ませ、ズボンのジッパーに手を掛けると、小さな悲鳴に驚いて声の方へと振り返った。
「そ、そ、粗末なもん見せんなってこいつのどこが粗末なんだよおおお!?つーか、何だこの台詞!こんなん言われて喜ぶやついんのか!?」
「ん〜僕は初めて言われましたけど、新鮮ですよぉ」
唯ちゃんは演技なんてそっちのけで悔しそうに地団太を踏んだ。
「そうだろうよ!そうだろうとも!いいから見せんな!仕舞え!すみません、監督、もう一度いいですか?」
まるでお笑いコントのようになっているのに監督はカットとは言わず、僕のそれへカメラを近づけた。
「えっと……こんにちは?」
先っぽをくい、とカメラに向けると、監督が「これNG集行きだからね」と呟いた。
「うげ……地声なんですけど…」
「大丈夫大丈夫。そこは編集でどうにでもなるから。それじゃ、アドリブ入れてもいいから、可愛い顔撮らせてね。唯ちゃん」
監督が笑うと、唯ちゃんは眉毛をぴくんと上げて唇の端を引きつらせると、ため息を付いた。
「はい…可愛く撮ってください」
Take2.
軽く用を済ませ、ズボンのジッパーに手を掛けると、小さな悲鳴に驚いて声の方へと振り返った。
「そ、そ、そ、粗末なもん見せんな!」
「あっ!さっきの……」
そこには両手で顔を覆って、その場で足が凍りついたように立ち尽くす女の子。電車で出会った子だった。
「くす、さっきとは逆ですね。ここは男性用のお手洗いですよ?女性用はお隣です」
衣服を整えながら、その場から動かない彼女に淡々と声を掛ける。
電車で一周してから降りたのに、なぜここに?
「ビックリしちゃって動けなくなっちゃいましたか?それとも、僕に何かご用でも?」
少し、言葉が冷たくなってしまったかもしれない。今日は「そのつもり」で家を出てきたのもあって、正直なところこんなところで、こんな可愛い子に出会っては僕は何をしてしまうか分からなかった。
邪険にした方が彼女のためだと言い聞かせながら、入り口傍にある蛇口に手を差し出して、パシャパシャと手を洗う。
コートのポケットからハンカチを取り出そうとしたら、彼女がそっと白のハンカチを差し出した。
「……大丈夫です。自分のハンカチありますから」
「いいから、はいっ」
ハンカチを押し付けてきた彼女の顔は背けられていて、髪からちらりと見える耳が染まっていた。
不思議に思いながらも受け取ると、そのハンカチに包むようにして小さな袋が一つ。丸い輪が浮かび上がっているそれは、性交渉の際に男性がつけるコンドームだった。
どうして。
鼓動が急速に早まるのを感じて、咄嗟に彼女の腕を掴んでいた。弾かれるように見開かれた彼女の目には涙が浮かんでいて、今にも零れてしまいそうだったけれど力を緩める気にはならなかった。
「…………あなたのお名前は?」
「……唯」
つんとそっぽを向いてしまった彼女が口にした名前は、今日会う約束をしていた彼女と同じだった。
待ちぼうけを食らった反動からか、ギラギラとした気持ちがこみ上げてくるのを感じた。
「……僕のがお粗末かどうか、試してあげます」
彼女――唯ちゃんの指に手を絡めて、トイレの個室へと連れて行く。
「僕のことは――そうですね、なっちゃんって呼んでください」
「っ……」
小さなアドリブに唯ちゃんは僅かに固まったかと思うと、足に衝撃が走る。唯ちゃんがカメラに映らないように僕の足を踏ん付けたのだ。
ふふ、怒ってる。可愛いなぁ。
セット用に大きく作られた個室の扉を閉め、扉に押しつけるように唯ちゃんに詰め寄る。左下背後の隅に置かれた固定カメラ、傍で別のカメラを構える監督を頭の端に追いやって、演技に集中する。
早速、ズボンに手を掛けて一度戻したそれを取り出そうとすれば、唯ちゃんが人差し指を立てて頬を膨らませる。
「それは、唯のこと可愛がってから……だぞ…」
台詞だと分かっていても、急に恥ずかしいことを言っていると意識したのか、唯ちゃんはバツが悪そうに頬を染めた。そんな唯ちゃんを服の上から触れながら、ほんの僅かなメールのやり取りを思い出す。
「あぁ、小さくて悩んでるって言ってましたね。ええと、思っていた以上にすごくぺったんこ、ですね…」
「……ちいさくてもいいって、言った」
恥ずかしそうに潤んだ瞳が揺れて、僕の手をぎゅっと握ってくる。
「はい。僕は感度のいい乳首さんがあればそれでいいです……」
思わず本音が漏れると唯ちゃんが爪を立てて、「感度なんて知んない」とぷっくりと顔を背けられてしまった。
「それじゃあ、僕に唯ちゃんの感度、教えてくださいね」
アドリブを入れても唯ちゃんは戸惑うことなく、こくんと頷いた。
でも、唯ちゃんは本当は男の子だから、局部など際どいところはNGで肌の露出も控えなければならない。
服の上からそっと揉みあげると、服がするりと落ちて肩が曝される。大きく開いた胸元には僕の位置からは乳首さんが見えていて、きゅっと摘んであげると肩がビクつくように跳ねた。
「ん……いたい……力、つよい、よ……」
睨んでくる瞳に反して、空いた方の胸へと手を滑らせてみると、服の上からでも分かるほどくりくりと硬くなっているのが受け取れた。
「そう…?触ってない方までつんつんしてますよ?」
僕の声に合わせて、カメラがそこを移そうと割り込んでくる。
そういうのはズームでどうにかしてほしいところだけれど。
「で、でも、いたい……から………っぁ」
痛がる唯ちゃんの胸へと唇を寄せ、かぷりと口に含める。服に唾液を染み込ませるように吸い付けば、監督はカメラを口元へと寄せる。僕は大まかに頭部はNGだけど、口元だけはOKだった。
「んっ……ん…」
舌で潰しても跳ねるようにこりこりとした反応が返ってくるのが嬉しくて、ちゅるちゅると吸い付いているうちに服が僕の唾液でぺたぺたになってしまう。ぴたりとくっつく服につんと形が浮き出ていて、弾くように指で触れてみる。
「ぁんっ……や、変な声でたし……」
顔から首筋から鎖骨までを火照らせ、ビクつくたびにかくんと落ちそうなほど唯ちゃんの足に力が入らなくなっているのが伝わってくる。それもそのはず、普段から考えると唯ちゃんの愛らしいそれが主張されている頃合だった。どうにかしてあげたいけど、台本があるし、まさか扱いて楽にしてあげるわけにもいかなかった。
「もっと深いところで可愛がってあげたいんですけど」
「……その前に、唯も……可愛がっていい?」
震える声で伏せがちに問われた言葉にきょとんと思考が停止する。
「え…?」
アドリブ?
すっと屈んだ唯ちゃんが、僕のベルトに手をかけて緩めていく。
「……怒らないでね?」
「うん…?」
下着の上から象るように指で撫でながらそっと取り出された雄に、唯ちゃんが冷たい布のようなものを押し当ててくる。
「冷たいです……それ、何ですか?萎えちゃうと唯ちゃんを可愛がれないですよ?」
聞けば、唯ちゃんがにこっと笑う。
「ウエットティッシュ」
言われた瞬間、カッとこみ上げてくるものを感じてぞくぞくした。
「わ、うそ……どして、今のでおっきくなるの…?」
「……バイキン扱いされるとは思ってなかったから、ですよ」
「ヘンなやつ……そんなによかったんなら、念入りにしてあげる」
ウエットティッシュで包まれて、2本の親指で拭い取るようにされると湿ったそれが甘い刺激を生んで気持ちがいい。でも、唯ちゃんの愛撫はじれったさが付きまとっていた。
「ん……キレイになってきた?」
「まだ」
大きくなる自身を隠されているようにも見えるウエットティッシュにこの熱が嘘のように感じる。もっと熱いのが欲しくて一歩踏み出すと、僕のそれが唯ちゃんの頬に触れかけて、一歩後退する。そんな些細なことにさえ、脈打つそれに唯ちゃんの手がビクつくように引っ込んだ。
「……ぁっ」
あっという間に扉にぶつかった唯ちゃんの前に、自分の先に掛かったウエットティッシュをそっと捲り上げる。
「まだキレイになってないですか?」
ぐるぐると目を回しているかのように、唯ちゃんは呆然とした様子で小さく呟く。
「……ま、だ、だって…ば…」
うーん、フェラチオさんしてくれるつもりだったんじゃないのかなぁ。
「ふふ、それじゃあ、まだ僕の可愛がってくれるんですね……嬉しいです」
問いかけながら腰を揺らしてみると、先から零れた雫が僅かに唯ちゃんの頬に飛び散った。
「うぁ、……だって……どんどんでっかくなるし…かわいくない……こっちのが、かわいい」
そう言って、唯ちゃんは顔を傾けて僕の袋に吸い付いた。
「へ?……んん……ぁっ」
「ふぁ……すごい、やわらか……っ」
熱い吐息で唇で優しく食んで、時折すん、と鼻先が動く。遠慮がちに触れた熱い舌が徐々に根元から袋の裏へと移り、指でつつかれ摘まれれてしまうと、なんだか男性を初めて見た少女のようだった。
僕が反応するたびにちらりと楽しそうに伺ってくる瞳に、涎を拭うように唇を指でなぞる仕草。それだけでもたまらないのに、唯ちゃんの言葉にじわりと汗と熱とが昂ぶるのを感じる。
「んんぅ……口紅、付いちゃった」
「……っいいよ、もっとつけて」
とろりと先から零れた蜜が唯ちゃんの唇へと垂れ落ち、ぺろりと舐めてしまう。そのすぐあとに、べっと舌を出して嫌そうな顔をされてしまった。
それがまた僕を煽ってるの分かってやっているのかな。
「……はぁ、ね、こっちにも……キスしてください」
指で緩く自身の先をこすって伝う快楽が電気のように体に走る。
僕のおねだりに唯ちゃんは「ん」と目を閉じた。
キス顔。それは、僕が唯ちゃんにキスしてもほとんどそのシーンは映らないため、唯ちゃんなりのファンサービスだった。
でも、それで終わらせられるほど僕は人間ができていない。
ファンサービスは仕方ないけれど、もうずっとアドリブで演技しているのにも関わらず、監督から巻きの指示が出ない。それはつまり、僕の知らないところで演技指導があったということだ。
限界まで主張したそれを唇へと押し当てて、とんとんと叩いてみる。薄っすらと開いた瞳に微笑んで、唇だけで「あけて?」と小首を傾げる。
「だめ、これかわいくな――んんむっ」
「いいえ、僕のなんて誰かさんにとってはお粗末だそうですから、とっても可愛いですよ――」
ね?翔ちゃん、と最後に唇だけで問いかけると、唯ちゃんはこれ以上ないくらいにみるみる顔が赤くなる。
可愛らしい唯ちゃんを堪能する間もなく、仕返しとばかりに歯を立てられて腰が引けてしまう。
「ッ、歯はだめですよ……うっかりして、喉を突いちゃうかもしれませんから…」
ビクついた唯ちゃんが体を押し返してくるものだから、つい離さないように顎掴んでしまった。
「そういうのも悪くないですけど……あぁ、もしかして、電車で声を掛けてくれなかったのだって、僕を怒らせたかったんですか?」
ふるふると首を振って機嫌を取るかのように懸命に先端を舐めてくる唯ちゃんに免じて手を離してあげる。
監督が何の指導をしたのかは知らないけれど、許してあげる。お仕事だもんね。
「大丈夫、怒ってないですよ。こんなに可愛い子だったんですから……」
唯ちゃんの頭を撫でながら、奥まではいかずに舌先にぶつかるだけのほんの僅かなピストンを楽しむ。
「これなら、小さなお口でもちゃんと可愛がれますよね?」
「ん、ん、ん……あぅ……」
ちゅぽちゅぽと可愛らしく響く淫らな音に唯ちゃんの嫌々と小さな声が混じる。僕のそれへとすっかり口紅の色が移り、唯ちゃんの熱い口内で拭い取られていく。根元までずり落ちていたウエットティッシュがひらりと舞い落ちた。
涙を浮かべる瞳が終わりを告げるのを健気に待っているかのように見えて、なんて可愛いのだろうと僅かに腰が疎かになった瞬間、唯ちゃんは唇を離して僕のをぎゅっと握った。
「も、やだ…ぜんぜん可愛くない」
「あれえ、唯ちゃんがお粗末さんって言ったのに」
「だって……そんなに大きさ変わらなくて、上に向くだけかなって…ぜんぜんちがう…」
唯ちゃんが僕のポケットからコンドームを探って開けると、つんつんと僕のをつつきながら被せてくる。
「ん……入んない……熱くて、硬い、ね……きもちいのかな……わっ」
ぷち、と頭の血管が切れるような音がした。コンドームはサイズが合わないのか、上手く入りきっていないけれど、そんなのは僕にはどうでもよかった。
唯ちゃんを引っ張って壁に押し付け、耳元で囁く。
「ぐずぐずにしてあげます」
声は掠れたけれど、唯ちゃんが身震いするのがわかって気分が良くなる。
扉に押し付けるようにしてぐっと体を持ち上げる。落ちないようにと唯ちゃんの膝が僕の腰を挟み、掴まれた腕に力が篭る。
「支えてあげるから、下着捲って、僕の挿れて?」
「あ、う……ん……わかんな、ここ…?」
探り探り僕のに触れて、ぴたりとあてがわれたそこがきゅんきゅんとヒクついているのが伝わってくる。
「ん、じょうず……」
中に割り込もうとした矢先に慌てて腕を掴まれ、唯ちゃんの肩が飛び上がる。そこでやっとローションを使い忘れたことに気づいて、唯ちゃんの髪にキスを落とした。それでも力の抜けない唯ちゃんに構わず、ゆっくりと挿入していく。
「は、ぁぁ……ぅぅ……あ、あっ…オク、こないで…!」
「そうは言っても、まだ、ほんの先っぽですよ?」
抱えなおしながら繋がっている所に視線をやると、横から捲られた下着から唯ちゃんの袋だけがぷっくりと顔を出していて、濡れて透けてしまっている小さな女性用下着に写るのはきゅうきゅうに締め付けられている翔ちゃんのモノ。
「……ん、あ、くるしのに……熱いのが電気みたいに……あっ、ぁぁぁ」
ずぷ、ぷぷと奥まで押し込めば、気持ちいいと喘ぐ声。
「きもちいいですか?は、ぁ…でも、あんまり大きな声出しちゃうと……誰か、ん…来ちゃいますよ」
「ひぐ……あぅう……」
唇を噛んでしまう唯ちゃんに余計なこと言ってしまったと少しだけ残念に思って、僅かに引き抜いてからもう一度打ち込む。
「やっ……ぁん、んぅっ」
大きく目を開いて、締め付けてくるそこから強引に引き抜くと同じようにゆっくりと奥までを味わう。けれど、ぎゅうと腰にしがみつく足のせいか、動きが鈍くなってしまう方が唯ちゃん――いえ、翔ちゃんにとっては辛いはずだった。長く時間を掛けてやればやるほどに、快楽で頭が真っ白になってしまうようだから。
「……あぁあ……ぁ、うぅ……」
出てこない台詞にアドリブで繋ぐ。
「唯ちゃん触って欲しいところ、どこですか?」
「ぁん、あっ……きもちとこ、ぜんぶ…」
「気持ちいい思うところ、指で教えて?大丈夫、落とさないよ」
がくがくと落ちそうになる唯ちゃんを突き上げながら変わらない狭さに顔が歪む。そっと離した小さな手が向かった先は、唯ちゃんの袋だった。
カメラに映りはしないけれど、これにはたまらず苦笑するしかなかった。
唯ちゃんは男の子じゃない。今は「女の子」だ。
「ふふ、かわいい……そこ、気持ちいいって知ってるんですねえ。それじゃあ、ゆっくり、ナカに入れてみてください」
わざと役を思い出させるように言えば、唯ちゃんは不満そうな顔で僕を見た。
「ん、ぁっあ……ナカって……あれ……あぁんっまって……唯、ヘンなの?」
「ヘンって、何がどうヘンなんですか?」
言いたくなさそうな唯ちゃんに、唯ちゃんの持つプロ意識を揺さぶるようにして「お仕事でしょう?」とカメラを見やれば、唇がもごもごと動く。
「らって、こっちにも……あな、ある……やっ、んんっ……!」
実際にそこには何もない代わりに、唯ちゃんはパツパツして苦しそうな自分の裏筋を労わるように撫でる。
下着で締め付けられて達することが出来ず、ずっと唇を噛むようにして堪える姿はとても唆られる。今回の撮影のテーマは「初めてなのにアナルで気持ちよくなってしまう少女」だ。痛がる姿は最小限に抑えなくてはならず、前日までそこに馴染むように何度も組み敷いた。
「唯ちゃんが、アナルにあてがったんでしょう?」
「あな、る……てなに?」
もう熱を抑えきれるとは思わなくて、リズム良く唯ちゃんの中を突き上げる。
「あんっ……ず、ん、ずん、しな……いで…あぁぁっだめ、だめ熱いのキちゃ――!」
仰け反った拍子にごつんと扉に頭を打ち付けながら達した唯ちゃんのきつい締め付けに、抗える術もなく僕も白濁を注ぎ込む。痙攣するように震える体が熱を持って、荒い息を繰り返す。
「――はぁ、は……初めて、なのに可愛い人ですね…」
呟いた言葉に唯ちゃんがぽろぽろと涙を零した。
「ぁ、ぁ、あ……ゴムつけれてなかったのに……あかちゃ、できたら…」
くす、と微笑む。
女の子の膣とアナルの区別がついてないのかな。
それならそれで、こんな可愛い子をゲットしない手はないでしょう。
きっと可愛い赤ちゃんが出来ますよ――と知らない振りをして囁くだけだった。
「カット。OK――」
監督の一言に小さく息を吐く。
「お疲れ様でした〜」
「おつかれっした…!はーいってえ、マジはちきれそ…」
翔ちゃんが僕の首に掴まりながら僕から降りようとするから、足を抱えなおしてセットの角にはめ込むように向きを変える。
「え、あ、那月?」
「一度もなっちゃんって呼んでくれませんでした」
「それは……お前が、呼ばせようとしなかったから……無理に呼ばなくても――」
「ちゅうして」
一拍おいて、翔ちゃんが変な顔をする。
「ハイ?」
無理強いしたら呼んでくれるのは分かってても、自分から呼んで欲しいのを翔ちゃんは分かってくれない。
そんなの、寂しいです。
「ちゅうしてくれないと、次の撮影では必ずなっちゃんって――んんっ」
間髪入れずに唇に触れた柔らかいそれに、どくりと脈打つ自身。翔ちゃんがやれやれと言わんばかりにため息を吐いた。
「監督ーすんません、すぐ済ませますのでちょっとこのバカとヤッていいですかー?」
「翔ちゃん!おねだりはいつもみたく可愛く!」
「だっー!おねだりじゃねー!」
監督が笑いながら、今のシーンの確認する間だけだからねと部屋を出て行った。
fin.
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こんなの発売されてたら一部のファンの間で噂になる未来しかないw事務所は全力で否定しますが加担してます。ちなみにタイトルはAVの名前。
おまけ。
執筆2014/02/24〜03/06、05/11〜16
挿絵2014/05/11