とある猫を拾った那月の家に砂月がお世話しに行く話(四ノ宮分裂)。
砂翔メインで3Pが少し。砂那要素含みますが描写はキス程度。ほんの少し那翔那を連想させるところ有り。
前に書いた話と世界観は全く違いますが、こちらでも猫耳猫尻尾猫手翔ちゃんで、終始ヤッてるだけの801。
※※さらっと翔ちゃんのおもらし有(プレイではないです)※※
翔ちゃんの背丈は通常通りで、いつもの如く喘いでます。男気は、残念ながらない。
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駆け出しアイドルで多忙な双子の兄である那月から、ペットの世話をしてほしいと連絡が入り、作曲は自宅でも出来るからと久しぶりに帰ってきた。
俺自身、仕事用に借りた別のマンションに引き篭もっていたのもあって、少し前にとても小さくて可愛らしい猫を拾ったのだと話には聞いていた。
マンションでもペット禁止ではないし、前から猫を飼いたがっていた那月のしたいようにさせていて、特に疑問も持たずに、猫用の缶詰やキャットフードなんかを買ってきたわけだが、それは消費されることがあるのかと目を疑う猫らしき生き物が家には居た。
玄関に入った瞬間、飛び掛ってくる大きな影と共に衝撃がやってきて、ぐらついた。
倒れそうになる体をぐっと支えて、下を見ると腹の辺りにしがみついている何か。
ブロンドの毛並みの猫、ではなく、どう見ても人間だった。
ただ、人間と決定的に違うのは、頭上からブロンドの毛を生やした獣の耳がぴょこぴょこと動き、同じ色の尻尾がゆらゆらと揺れているということ。
「……おい」
呼びかければ、そいつは俺にしがみついたまま顔を上げた。
グロスでも塗ったかのようなぽってりとした唇、目に掛かるほどの長い前髪から覗く大きな空色の瞳に自分の怪訝そうな顔が映りこみ、すぐにその瞳が恐怖の色へと変わった。
「にゃっ!!」
途端に飛び退かれて、そいつは距離を取るように飛び跳ねて後ずさった。
猫を真似ているのか、廊下の延長線上にあるリビングの中央でちょこんとしゃがんでこちらを窺っている。
どこかで見たような顔をしている。どこだったか。
服は那月のTシャツを1枚着ているだけで、お粗末というか、可愛らしいと言ってやるべきなのか、小さなイチモツが顔を覗かせていた。
首にはピンクの首輪まで嵌められているのに自分でそれを外そうともしない。
とにかく、まだ閉めていなかった鍵を掛け、頭を抱えながら靴を脱いだ。
「チビ、言葉分かるか?」
「にゃにゃああ…!!」
毛を逆立て、猫のような鳴き声を出されても、それが肯定なのか否定なのか分からない。
そして、見た目で判断するよりも低く少年らしい声。
「分かるなら、頷け。分からないなら、首を横に振れ」
と言っても、分からないなら首を横に振れるわけもないが、と思っていると、そいつはふいとそっぽを向いた。
猫か人間かどうかもこの際置いておくことにして、人間っぽいこいつに下半身裸でうろうろされても困る。
先に服でも着せてやろうかと、途中那月の部屋に寄ったところで気づく。
那月の部屋の壁に「来栖翔」のポスターがいくつも貼られていて、ポスターだけじゃなく、ブロマイドを飾ったコルクボードやベッドには抱き枕まである。
そうだ、あの猫は那月が気に入っている、那月と同じ駆け出しのアイドル、来栖翔に似ている。
気にも留めていなかったが、那月は猫の名前を「翔」と言っていた。
わざわざ同じ名前をつけなくても良さそうなものだが、似ているだけでは済まされない、あの容姿に散々聞かされたCD音源と同じ声質。
那月はサイズが合わなくて着れもしないのに、可愛いというだけでピヨちゃんやクマなんかの寝巻きを買ってくるからそれを穿かせてやればいいのに、と思いながら、クローゼットに仕舞いこんである白の生地に小さなピヨちゃんがいくつもプリントされたそれを取り出す。
開封さえしていないものだが、問題ないだろうと勝手にビニールを破り捨てて、リビングへ向かった。
チビが待つそこに入って目にしたのは、下半身が露出する原因になったらしい、切り裂かれたズボンが放置されていて、その周辺があろうことか濡れている。
一応、その傍にはペット用のトイレシートが置かれてあり、慌てていたのか掠りもしていなかった。
おそらく、チビは普通に立たせたら、俺の胸程度まではありそうな身長をしているのだから、少なくとも中学生程度には見える。
「幼稚園児でも1人でトイレに行けるぞ?」
チビは小さく丸まって頭を垂れさせ、頬を真っ赤に染めて肩を震わせた。
ため息を一つ吐いて、着替えをソファに放った。
軽く掃除しようと、シートをひっくり返して濡れた場所に置いて染み込ませる。
チビが近寄ってきて、そろそろと第二間接から折り曲げて猫手のようにした両手を見せてきた。どちらかというと握りこぶしのような体裁。
「あ?何が言いたい」
なんとなく、その小さな手をふにふにと触ってみても、肉球があるわけではなかったらしく期待していた弾力はなかったが、小さい体の通り、子どものような柔らかさを感じた。
爪に塗られた黒のマニキュアも来栖翔と同じだった。その指を広げさせてみようとすると思っていたよりも動かず、少し力を込めるとチビは小さく唸って首を横に振り、ついには涙を浮かべてしまった。
どうやら、痛がっているらしい。
「この手のせいで扉が開けられなかったってか?」
勢いよく頭を上下に振ったチビは、にゃぁんと鳴いた。
那月もわざわざこんなもの敷くぐらいなら、出かける前にトイレの扉を開けて出かければよかっただろうに。
風呂場の扉でもいいし、あぁ、おまるはお似合いだなと思いながら、適当に片付けて立ち上がると、チビがうろうろと足に纏わりついてくる。
ただでさえ小さいのに、四足歩行のまま、うろちょろされるのは鬱陶しい。
両手首を掴んで持ち上げると「にゃあにゃあ」と叫びながら暴れた足が体にしがみ付いてくる。
那月は動物の言葉が分かる…らしいから暮らせてたんだろうが、こいつが俺の言葉を理解できても俺が理解できないならあまり意味がない。
それにしても、実際に来栖翔に会ったことはないが、本当によく似ている。
チビは猫の耳がある代わりに人間の耳が綺麗サッパリなくなっているようだった。
「……風呂、だな」
しばらくの間、下半身を晒したままうろついていたんだろう、体にゴミが引っ付いている。
「に゛ゃっ!」
途端にチビが勢いよく首を横に振った。
この猫手で1人で入れるとも思えない。
「これも、躾の一環だ。大人しくしてたら、アレ許してやらなくもねえぞ?」
アレ、と言いながら、後始末した場所を示す。
項垂れるように耳を垂れさせ、頬を赤らめる。
何をそんなに恥ずかしがることがあるのか、その理由は連れて行った風呂場で知ることになる。
浴室は広めでも、那月のおもちゃが転がっていて狭くなってしまっている。
子どもと遊ぶのにちょうどいいおもちゃから、教育上見せるべきでないものなど様々だが、チビはもう慣れてしまったのか、特に気にもしていない様子だった。
嫌がっていたほど暴れもせず、大人しいこいつを横向きに膝に乗せ、泡立てたスポンジで洗ってやる。
那月の体を洗ってやることもあるし、そのこと自体は特に気にも留めていなかったが、那月の体にはない耳と尻尾がどうしても気になる。
興味本位で伏せた耳を引っ張ってみたら、ぴんと耳と尻尾を立てて腕に噛み付いてきた。
多少、痛みを感じる程度でさほど痛くもなかったけど。
「ついさっき、大人しく、って言ったばかりなのになァ?」
「ぴぎゃ…!」
慌てて離れたチビは歯型がついたそこをしきりに舐め始めた。
小さな口で舌で、更には大きな瞳に涙を溜めて舐める様が子どもながらに――。
「……あんまり煽ると犯すぞ?」
自然と歪む顔に肩をびくつかせたチビは見るからにおろおろしながら、何を血迷ったのか、飛び掛ってきて唇に小さなそれを押し付けてくる。
僅かに触れて離れたチビは視線を逸らしつつ、もごもごと唇を動かした。
そうして、聞こえてきたのは、猫のような鳴き声ではなく、俺にも理解できる日本語だった。
「お風呂、は、そういうことする場所、だろ…?」
そういえば「言葉が分からなかったら、ちゅーしてあげてくださいねえ」なんて、那月に言われた気がする。
猫相手なんだから那月と違って分からないに決まってるだろ、とそのときは口には出さずとも思ったものだが。
「な、なんか言えよ……恥ずかしいだろ」
言いながら、チビはぽってりと赤い頬を小さく膨らませて俯いた。
来栖翔のことは那月から耳にたこが出来るほど、可愛いと聞かされているだけあって、男を煽る容姿をしているとは思っていた。
那月がしばらく俺を誘ってこなかったことを考えると、来栖翔にそっくりな奴に猫耳や尻尾が生えてる時点で我慢できてるとも思えなかった。
得てして、男とはそういうものだし、少なくとも、俺も、興味がないわけではない。
浮気をどうの、と言うつもりは更々ないが。
「お前、那月としたのか?」
「……う、うん…?おなかすいたら、なつき、さつきとしていい、て言ってた…」
「…腹?」
チビは頷いて立ち上がると、お湯を溜めていない浴槽に入り込んだかと思うと、俺に背を向けて浴槽の縁に腰掛けた。
尾てい骨辺りから伸びる尻尾を誘うように揺らして腰を浮かせると、向こうの壁に手をついて尻尾の先をもぞもぞと自分の秘所へと触れさせる。
泡を洗い流してはいないのもあって、ところどころ肌が隠れているのがまた唆られた。
ストリップでも始めるのか…?
そんな考えの通り、ちらりと窺うように俺を見たチビが照れなのか、ただ熱いのか、瞳を蕩けさせ、濡れている尻尾を桃色の割れ目に擦り付けた。
ゆるゆるとそこに這わせるように器用に上下させた途端、体を小さく震わせて、啼いた。
「にゃ……ぁ、ぅぅ…」
小さな桃尻に挟んだそれは雄を表わすものにしか見えず、それを目の前で見せ付けられて、下半身が反応しないわけがなかった。
最近、仕事で缶詰状態で那月に触れる機会がなかったとは言え、何、こんなガキ…それもペット相手に欲情してんだ、と思わなくもないがなんでもいい、犯してもいい免罪符が欲しかった。
「……チビ、歳は」
「ちびじゃね……おれさまは…も、じゅう、なな、だぞ…!」
小さいとは思っていたが、まさか2つしか違わないってどういうことだ。
来栖翔本人も2つしか違わなかったはずだが、流石にこのチビは頭が弱そうだった。
ただ、那月に仕込まれたのか、色気だけはある。
輪を描いて先だけを擦り付ける尻尾に触れてみると、柔らかな毛に芯を帯びたそれは思っていたよりも硬度があり、熱を持ったように熱かった。
「ひぁぁっ…」
軽く握っただけで背筋を反らし、反動で上体が跳ね上がった。
泡と雫、汗が細い腰に滑り落ちてくる。
「もしかして、感じてんのか」
「……あぁっ…びくってするから…だめっ…!」
根元でもなく、先でもなく、中途半端な位置を触っているだけなのに、それ全体が性感帯のように面白く跳ねた。
首を横に振りつつも、尻尾の先を秘所に擦り付けるのは止めず、自分でも追い詰めているように見える。
「そんなに煽って、本気で犯されたいらしいな」
「お、おなかすいただけだ…し…」
腹、ね。
どこの口が欲しがってるんだか。
そう思いながら、尻に緩く這わせるだけの尻尾を挟むように柔らかい肉を両手で揉んだ。
張りがあって、それでいて、脂肪でたるんでいるわけでもない、小さな美尻。
「ぁん、ぁぁぁっ…!」
高い嬌声を浴室に響かせ、がくんと落ちた体が縁に座り込む形になって、跳ねる足では支えきれないのか後ろに倒れこんできた。
それを受け止めて膝に乗せると、とろんと蕩けた瞳が振り返って、雄を主張している俺自身を見た。
「……随分と、物欲しそうだな」
「食べて、い…?」
こてんと効果音がつきそうなほど小首を傾げて見せるチビの秘所に指をねじ込む。
「ひゃぅ…!」
そこは小さな穴でも、那月との情事を窺わせるほどすんなりと入り、硬さなどありはしなかった。
たまたまなのか、それとも毎晩なのかは分からないが、精が出ることだな、と頭の片隅で思った。
「やん、やぁ……ぁあうん……は…!」
広げるように弄ってみれば、チビが首を横に振るたびに潤んだ瞳から涙が飛び散る。
とても嫌がっているようには見えない揺れる腰に体を捻ったチビは、タイルに膝をついて腰を向こう側に突き出し、上体を下げた。
チビが真っ直ぐに見つめる先にあるのは俺のもの。
食べていい、とは、つまり、口でってことか?
「はっ、とんだ淫乱猫が居たもんだな」
「いうなぁ……はずかし、んだぞ……ぁん、ひぅ……ぁぁあ…」
ゆらゆらと誘うように揺れる腰にしきりに指を締め付けてくる中。
「噛まねえなら、食わせてやるけど?」
目を輝かせて、美味いものでも頬張るように咥え込む姿に、本当にただの淫乱だと思った。
「はむ……んっく……ぁ、ん……ぁ…」
チビの愛撫はたどたどしさとは無縁で、窄めた唇で遠慮なく吸い上げてくる。熱い舌が先を押さえつけ、開かない手で懸命に裏筋と、袋とを刺激する。
瞳は伏せられ、髪と同じブロンドのまつげに乗った、小さな水滴の粒が光る。
耳は垂れ、尻尾は揺れ、反れた背筋に伝う泡。食む声と一緒に漏れる甘い吐息に、入れたままの指で中を撫で付ければ、びくつくように震える腰。
その全てが男を誘うためだけに存在するように見えてしまう。
猫耳プレイは那月とやったことがないわけではないが、それらが独自に反応するわけではなかったから、酷く、高揚させられた。
「……っ待て、イくから離せ」
チビの頭を退けようとすると、ぱっと俺を見上げて、驚く風でもなく涙を浮かべたまま、かぶりつくように音を立てて吸い上げる。
「っく、おい…」
頭をぶんぶんと振って、押し上げるように袋を撫でつけられては、堪え切れなかった。
枷が外れたそれをチビの口腔に叩きつけ、先だけを口に含めていたからか、自分のそれがチビの口元を滴った。
次いで聞こえたのは、ごくんという喉の音だった。
淫らに白く汚す顔に思わず息を呑んだ音、溢れた唾液を飲み込んだ音だったに違いないが、それに被さるようにチビの喉元がこくこくと上下に動く。
俺が高みに昇りつめるその瞬間まで手を緩めず、イくといっても離さないどころかそれを促すような愛撫。
初めから飲むつもりだったのか、と思ったところで、こいつは「腹が減ったら」と言っていなかったか、と思い出す。
俺自身に垂れかかるそれを舌で舐め取り、毛づくろいでもするように、手に零れた精液を綺麗にしていくチビから指を引き抜き、抱き寄せる。
「チッ、離せっつっただろうが」
「あ、あ……ひいた…?おれのごはん、なつきのみるく…だから……その」
俺と双子の那月を相手にしてたのなら、抵抗が薄かったのも頷けるが。
泡で滑る細腰をなぞって、尻尾の根元に絡め、その更に奥まった箇所へと指を這わせる。
緊張したように強張る体に、喉の奥で笑い、肩に乗る赤ら顔に頬を摺り寄せた。
「俺は、ここに、挿れたかったんだよ」
言えば、チビから力が抜けて体重が掛かる。体が熱を持って、蒸気が昇っているようにも見えた。
瞳は虚ろで息が浅い。
「あ?……逆上せたのか」
「にゃぁう…」
戯れは20分にも満たなかったし、風呂を沸かしてもないのにどうやって逆上せるんだと疑問に思いながら、ぬるめよりも冷水寄りのシャワーをチビに掛けてやる。
興が殺がれた、とまでは言わないが、逆上せたやつを相手に無理に抱こうとまでは思わなかった。
それくらいの冷静さが自分にあることに少し驚く。
仕事を投げ打ってまで、構いたくなる気分にはなっていた。そう、那月というものがありながら、初対面の相手を犯そうとするほどに。
那月がチビとヤッてたからって、妬いたつもりもないし、腹いせだったわけでもない。
ほかの誰かなら許さないのは間違いないが、なぜか、チビにはそうは思わなかった。
前々から、那月から聞かされてきた「来栖翔」に少なからず興味を抱き、検分したかった。
目の前のこいつは似ているだけだろうが、これが一番近いと思った。
リビングに運び入れ、バスタオルで拭いた体に、ソファに放ったままだったピヨちゃんの寝巻きを着せる。
もともと下着を穿いてたかさえ分からない有様だったから、気にせず穿かせようとすると、チビは構わず足を通した。だが、チビはズボンを腰まで上げたがらず、尻尾が締め付けられるのが嫌なのか、半分尻が見えている。
前のボタンは空けたまま、チビをソファに寝かせると、丸まる小さな体がソファを少し余らせた。
それは俺たちが仮眠を取るために買った、大きめの三人掛けのソファで、チビなら背を伸ばしても手狭というほどではなさそうなものだ。
冷蔵庫に入っていたペットボトルからグラスに水を注いで戻ると、チビはソファに乗っていたピヨちゃんのぬいぐるみを足蹴にして寝床を広く取ろうとしていた。
そんなことしなくてもチビの頭上にはいくらかスペースがあるのに、変なやつだと思った。
「おら、飲め。逆上せんの早すぎだろうが。そんなんで、那月の相手できてたのかよ」
「うにゃぁ…」
声を掛けてもチビは弱々しい猫の声を上げるだけで、日本語では返ってこなかった。
傍に膝をつき、頭を上げさせて水を一口飲ませようとしても、嫌がるばかり。
そういえば、自分も何も飲んでなかったと、チビに飲ませるはずだったグラスに口をつけた。渇いた喉が冷えた水で潤って、息を吐く。
すると、チビは目に見えて悲しそうな顔で俺を見上げていた。
「欲しかったんなら飲めば良かっただろうが。零すなよ」
もう一度口元までグラスを持っていけば、チビはふいと顔を背けてしまう。
何がなにやら理解できなくて、早くも顔が引きつる気がした。
「何が気にくわねえのか知らねえが、介抱してやってんだろうが。チビだって言われたくねえなら、どうして欲しいのかハッキリしろ」
そこまで強い口調で言ったつもりはなかったが、チビはびくついてから首に飛び掛ってきた。
「……っ」
水が零れる、と口にする前に、唇に柔らかい感触がした。間近に薄っすらと伏せられた大きな蒼い瞳が見えて、目が合うとぎゅっと目を閉じてしまう。
この生き物は何なんだ。
視界の端にはソファに尻尾が垂れて、するすると擦る音が聞こえる。
あれだけ敏感なら、それは自慰のようなものじゃないのか。
押し付けるように重ねられた柔らかい唇に、舌を割り込ませてみれば、チビは抵抗することもなく受け入れた。
「ぁ、ん……んっ…」
押し返そうとする舌が擦り合わさって、チビはすぐさま息を詰まらせて涙を滲ませた。床にグラスを置いて、頬に手を添えれば、グラスで冷たくなった手の平が頬の熱を吸い取っていくようだった。
とろりと目を伏せて、押し倒される形で腹の上にチビが乗る。軽く上体だけ起こしたまま、唇だけを重ねて、貪って、頬から胸の辺りに触れてみる。
ぴくんと耳を立てて、同様に反応する体。何の膨らみもない薄い胸に僅かに力を入れて、表面だけで揉めば、チビは小さな声を上げて、俺の手に手を添えた。
「……ふぁ……ぁ、ぁ…」
唇を離しがちで、胸を気にし始めたチビの先端を指で弾く。
「んにゃ…!」
また逆上せようかという勢いで頬に朱を昇らせて、俺の手を外そうと力を込めてくる。
「ここ、好きなのか」
「すきじゃ、ねえし!」
勢いよく出てきたのは日本語で、那月が言っていた通り、キスで言葉が通じるようになるようだった。ただし、効力は長くはないようだが。
「ふうん、じゃあ、どこが好きなのか言ってみろよ。言えるよな?」
ぺたぺたと俺の体に触れて、上体を下げたかと思ったら、チビと同じようにYシャツのボタンを留めていなかったせいで、開いた胸へと顔を寄せて舐めやがった。
俺は弄られ慣れていないから、さほど感度がいいわけでもないし、一瞬呆気に取られた。
チビが那月にしてやったことがあるのかはさておき、そうされたいのだと解釈する。
わき腹を掴み上げ、体勢を入れ替えるついでに仮にも逆上せてすぐの相手だから、体を冷やす方がいいだろうと、ガラスのローテーブルへと押し倒した。
そうして見るチビは、まるで猫そのもののようだった。
実家にはエリザベスやちくわぶ、ポークやウールなどが居ても、猫はいないから実際のところ詳しくは知らないが、足の間に垂れ下がる尻尾や、所在無さ気に腕を広げる仕草。何より、開かせもしていないのに宙に浮き上がる下肢。その間には逆上せただけには見えないテントがあって、目を細めた。
何度も煽るだけじゃなく、実際にこんな無防備な姿を見せられては、最早、冷静になれる気がしなかった。
半分ほど尻が見えているチビのズボンを手前に捲りあげれば、何も身に着けていない肌が晒される。
恥らうようにズボンを引っ張って隠そうとするから、全ては捲らず、太ももの辺りで止めてやれば、チビはそれでほっとしたように息を吐いた。
恐らく、チビからは見えないのだろうが、俺には全部が丸見えで、一度風呂場で見たはずのそれを再度目の当たりにして思わず息を呑んだ。
薄めの茂みが、色素の薄い桜色をした肌が、幼さを如実に表していて、俺たちが小学生だった頃を思い出させた。
割れ目から指でなぞって、秘所へと通り袋にぶつかる。
それだけでチビはぴくぴくと反応を返して、唇を噛んだ。
毛先だけ濡れたままの髪から雫を散らし、ガラステーブルに水滴が落ちる。同様に触れた箇所に垂れていた先走りは袋を伝って尻尾を汚した。
俺からすれば、尻尾を踏まないようにと僅かに浮いた腰が、晒した秘所を強調させているようにも見えて目が眩む。
ガラステーブルに左手をつき、足の間に割り込むようにして覆いかぶさって、チビの望みどおり、胸の飾りを舐め上げ、甘く噛む。
そうすれば、チビは唇を引き結んで、垂れ下がる眉に閉じられた瞳から水分を滲ませた。
駄々をこねるように小さく首を振るチビの秘所に小指を入れれば、チビは驚いたように目を見開いた。
「にゃ…ぁ……にゃ…」
つん、と形が残る色素の薄い飾りを舌で転がし、空いた指で袋と根元をもどかしく撫でてやる。
次第に蕩けていく瞳が、喉を撫でられて、されるがままの動物と同じに見えた。
喉の奥から猫の啼くような声が漏れて、小指が奥まで入り込む。
とろとろと指に垂れ始めた先走りに、自然と口の端が上がった。
「誘ったのはお前だ。二度もお預けを食らうつもりはねえからな」
びくんと反射的に跳ねる足が宙で震え、弄っていない方の胸はチビが寝巻きを引っ張って隠す。
赤く熟れた芽から、猫の鳴き声を漏らす唇へと口付ける。
嫌がる声も、啼く声も、理解できる方がずっといい。生きている相手でも、従順に反応しても、一人でしているような気になるからだ。
「んっ…」
チビから指を引き抜いて、自分自身を取り出す。これから何をされるのか、自分のずらしきっていないズボンで見えないのもあるのだろうが、チビは気づく様子もなく、俺の頬に手を添えて、唇に吸い付いてくる。
少しだけ、那月と似ているような気がした。見た目でも、色気でもなく、積極的なところだけが似ている。
那月が仕込んだのだから当然か。
上向いて晒されたままの秘所に自身をあてがえば、チビはそこでやっと我に返ったように、俺の胸を押し返した。
「やっ!」
だが、そんな些細な抵抗は後の祭りだ。
「俺も、物好きだったらしい」
つぷ、と肉壁を突き進めば、ぼろぼろと涙を零して、開いた唇から悲痛な嬌声が漏れ出る。
「ぁ、ぁあ……ぁ、ぁ――」
身をよじって反れた胸に、強張る体から力が抜ける気配がなくて、侵入を拒むかのように強い締め付けで半分も挿らなかった。
「っチビ。んなに締めたら、俺も痛てえだろうが――あぁ!?」
唐突に自分の尻に這う何かに眉間に皺が寄る。
視線を下げると、チビの尻尾が股の間を通って尻に擦り付けられていた。
ズボンの上からとはいえ、慣れていない感触にぞわぞわと鳥肌が立つようだった。
「尻尾止めろ」
低く言えば、チビはびくついてしおしおとそれを下げた。
「あ、ぁ、しぽいれなくていいのか…?」
「は?必要ねえだろ――って」
まさか、那月はチビにんなことさせてたとか…。
十分に有り得る気がした。
那月を仕込んだのは俺だ。その味を知った上で誰かを犯せるとも思ってなかったが、チビの尻尾を使って同時に両方を味わっていたのなら、ここのところ忙しさだけの理由で断られていたとは思えない。
「くくっ、お前に夢中になるはずだ」
自嘲気味に言えば、チビはきょとんとして首を傾げた。
「抵抗は終わりか?」
言えば、諦めたのか、大人しくなったかと思うと、この状況に似合わない台詞を小さく呟いた。
「…おれ、はらへった」
「……どういう意味だ。中に注いで欲しいってことか?」
それとも、またフェラでもしたいという意味なのか。
「そんなんしたら、もったいな――」
後者だったのか、とぎちりと中がきつくなった感覚に顔を歪めれば、チビがぴくんと耳を動かして、叫びながら身じろぎ始めた。
「やだ、だめ、ぬいて!」
「積極的になったり、大人しくなったり、騒いだり忙しいやつだな」
軽々と両腕を押さえつけたところでガチャリ、という音と共に那月の声が飛び込んできた。
「ただいまです〜急いで帰ってきちゃいま――あー!さっちゃんずるい!!」
玄関はリビングの延長線上にあって、途中にある扉はチビを運び込んでから開きっぱなしで遮るものなどなかった。
これまたいいタイミングで帰ってきたもんだ。
チビは那月が帰ってくるのが分かったのか…?
そういえば、俺が帰ったときも飛び掛ってきたし、聴覚は動物に近いのかもしれない。
この状況に至っても萎える気がしなくて、暴れるチビを押さえつけて体を押し込んだ。
「いにゃぁ…!」
「一足、遅かったな、那月」
声だけ掛ければ、那月の駆け寄ってくる足音が聞こえ、振り向く間もなく両手で頬を挟まれたかと思うと、無理に那月の方に顔を向けさせられて首の骨が鳴った。
「っつ――」
同時にやってきたのは首の痛みと、那月のキスだった。
俺にずるいと文句を言っておいて、それでもキスするだなんて、生まれてからずっと一緒にいても予想外のことだった。
ちょっと待てと口にしようとすれば、真っ先に舌が割り込んでくる。絡まる舌に反応を返しつつ、視線だけでチビを見れば目を丸くしていて、目が合った途端、顔を逸らした。
浮かんだ涙を零す、その光景に反して、きゅうと締め上げてくる肉壁にこめかみから汗が伝うのが分かる。
チビと乱れ、交わる鼓動の音と、那月の吐息に顔をしかめて、那月を押し返した。
那月は気にする風でもなく、ガラステーブルに大人しくなっているチビの頭を撫でた。
「翔ちゃん、さっちゃんにいじめられなかったですか?」
「……これみて、わかんねーのかよ」
チビの返事に那月は首を傾げて微笑んだ。
「ごほうび?」
「どう見ても違うだろ…!」
「お前が襲ってきたんだろうが。ころころ態度を変えるな、クソチビ」
身を引き抜いて揺さぶるように突き上げる。
「んーたぶん、そういうことじゃないんだよ。翔ちゃんはフェラチオさんが好きなんだもんねぇ」
「あ、ぁ、ちがう…!」
風呂場でのことを思い出しても、その通りだとしか思えなかったし、誰かを組み敷くのは本当に久しぶりで、加減が出来そうになかった。
「ぁぁあ、ぁんっ……あん、ぁっく…」
入り口が狭く、その先にある空間に辿りつく前に、異物を排除しようと押し迫ってくる熱い壁。
前立腺を擦り上げてやれば、その壁は更にきゅんと締まった。
「ん、そこ…やっ……にゃぁぁ――」
力の入っていない足が腰に絡み付いて、チビは小さな体を反らした。
次いでやってきたのは生暖かい感触だった。
「…お前、くっ」
チビは痙攣するように言葉にならない声を漏らしながら、浅く息を繰り返す。開いた唇からは涎が垂れて、涙で頬を濡らしていた。
那月が楽しそうにガラステーブルに肘をついて、身を乗り出した。
「ふふ、ピヨちゃん、びちょびちょになっちゃいましたね。翔ちゃん、気持ちよかった?イッちゃうぐらいだもんねえ、気持ちいいよねえ」
責めるように軽快に言葉を投げかける那月に少なからず驚いたが、チビは那月の顔を押し退けながら那月を睨んで叫んだ。
「にゃあ…にゃ!!」
とても睨んでいるようには見えない顔に笑って、チビの顎を掴む。
煩い猫の声を塞ぐように唇を重ねれば、那月が僕も、とチビの頬にキスを落とした。
チビはキスしている間はほかのことがすっかり目に入らないように、なぜか大人しくなる。
都合がいいとばかりに、腰を動かせば、那月がまた楽しそうに問いかけた。
「翔ちゃんはどの辺が好きですかぁ?そこってどこかなぁ?」
「……んぁ…しらな――んんっ…」
「早漏さんになっちゃうとこ、僕にも教えて?ここ?」
那月が手を伸ばして、チビのものにそっと触れる。
耳が連動するように飛び上がって、目を見開いて胸を押してくる。
「んく………しらないってばっ!」
唇から離れてやって、チビの膝裏を掴んで押し上げた。
「待っ…!」
電灯の真下、開いた足で隠すものがなくなったそこは白銀に光り、繋がっている箇所がぬち、と音を立てて、尚更情欲を掻き立てられた。
「わぁ、翔ちゃんとってもやらしい……これじゃ、僕、翔ちゃんをさっちゃんに取られちゃう…さっちゃんも取られちゃう…」
「それはねえよ…チビだって、お前の中に尻尾を入れる方が善いに決まってんだろ」
チビがぴくんと耳を立てて首を横に振ったのを見て、那月は一人納得したように頷いた。
「そっか、そうだよねえ」
「あ、ぁれ、おかしくなる…やだっ!」
「それが気持ちいいんじゃないですか〜あ、あれ使ってみよう!」
ぱたぱたと那月が洗面所に入っていって、チビはすっかり怯えたようにひくひくと中を締まらせる。
耳がふるふると震え、そうして怯えた顔はどうしても男を煽る。
襟足だけ濡れていた髪は今や汗でしっとりと水分を含んでいた。
「なつき、変なおもちゃいっぱいつかう…」
「……あぁ、どこから仕入れてくるんだろうな」
全部が全部、俺に使ってもらいたいがために買ってくるのだと考えれば可愛いものだが、チビにとってはそうではないんだろう。
いい加減、俺もイきたいが、と思っていると那月がスキップしながら戻ってきた。
那月の手には一般的に萌え絵と呼ばれる美少女が描かれたパッケージがあって、その中身は到底3人で使うような代物ではなかった。もう一方の手にはローションのボトルが握られている。
「……那月、それをどう使うんだ。お前が使ってるとこでも見せてくれんのか」
「えっ!違うよ〜もうさっちゃんってば、えっちなんだから!」
あれは自慰で使うオナホールだ。
ピンクがかった肌色をしていて、入り口が女のそれを形取る。中はでこぼこと隆起して、男の性器を刺激する、そういうものだ。
「…人のこと言えねえだろ」
思わず呟いたところで、鼻歌交じりにそれを取り出した那月はローションのボトルを逆さにして中に流し込みながら、「ここ、お尻にしてくれたらいいのにね」と心底残念がっているようだった。
チビはチビで物珍しそうにそれを眺めていて、自分に使われるなど念頭から消え去っているように見えた。
そうして準備が整うと、那月はチビの尻尾を何気なく掴んで、チビが大きく跳ね上がった。
「やん、何!?」
那月はチビにパッケージの裏を見せながら、気持ちよくなっちゃうだけだよぉ、とにっこりと微笑んだ。
それに尻尾を入れると同時に腰を動かせば、高い声を響かせてチビは手近にあったパッケージを投げつけてきた。
軽く避けてチビの足を押さえつける。
「やぁあぁ……ぁあ、あっ、やら、だめっ!ひぅ…!」
ぐちゅ、ぐちゅ、と2箇所から響く水音に頭に血が昇りそうだ。
「翔ちゃん、奥まで行く方がいい?手前のざらざらの方が気持ちいいかなぁ?」
中を掻き回して、とぷんと溢れるローションがガラステーブルにぽたぽたと落ちていく。
「ぁん、ぁ……ぬ、い……んあぁ、またイ――」
尻尾を弄っていないときより強い締まりに、改めて那月が夢中になるはずだと、自嘲しつつずぷりと突き上げた。瞬間、熱を吐き出しながら、チビに口付ける。
このタイミングで猫の鳴き声に戻られたらたまらない。
「あ、ダメだよぉ、さっちゃん声、塞いじゃ…!」
快楽に悶えるチビが涙目で苦しそうに胸を叩くから、代わりに那月の唇を塞ぐ。
律動を止めても、那月の手は止まらず、チビの声が高く響く。
「なつ、ふぁ、ぁんあん……らめらって、も…」
熱すぎる中から自身を引き抜く気にはなれなくて、目線で那月を促すと微笑んでチビの頭上に回る。
ガラステーブルに乗り上げる形で、チビを後ろから抱き起こした。
「分かるかな?僕も興奮してきちゃったの……だから、翔ちゃんどうしたいですか?僕に入れて欲しい?それとも、ご飯にする?」
尻尾を離されて息を吐いたチビは、とろんと瞳を潤ませて「ごはん…」と呟いた。
上体だけ捻るチビが那月のベルトを叩くと、那月がそれを外して、反り立っている自身を取り出した。
「僕ね、翔ちゃんがおちんちんはぐはぐしてるところ、とってもだいすき」
チビは俺にしたときと同じように躊躇せずに那月自身を舐め上げて、口に含めてしまう。
「お前ら、一体どういう生活してたんだ?」
「普通だよ〜!普通!ね、翔ちゃん」
その言葉にチビは眉間に皺を寄せて、反論した。
「おれは、なつきがしつこくておかしくなるから、仕方なく……してやってんだぞ…!」
「仕方なくって翔ちゃん、酷い!そんなこという子にはもう尻尾さん触ってあげませんよ?」
一瞬びくついたチビは黙り込んでから、小さく「やだ」と呟いた。
嫌だやめろと言いつつ、善がってるのを見りゃ分かるが、こいつらは性に積極的なところがとてもよく似ている。
それは巡り巡って自分と同類だと。
「はっ、だったら触ってやるよ」
尻尾を挿入したままだったオナホールを掴めば、きゅんと締め付けて離さないそこにどうして欲しいかを口で、言葉で懇願させるために、しばらく、こいつの存在は世間に隠しておくとする。
「お前はせいぜい俺たちの機嫌でも取るんだな」
fin.
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アニメ2期始まる前までに書き上げたくて、うちの地域では1話の放送が4/4なのですが、思えば四ノ翔の日だな〜と急ピッチで進めました。
「たった一輪になろうとも」の元となった話でもあって、まさかこんなアホな話からあのシリアスが生まれようとは私もビックリです。
執筆2012/10/07〜09 改稿2013/04/01〜04
以下、おまけ。
12/11/17